外科
Surgery
抗血栓療法や
複数疾患を抱える
重症度の高いがん疾患に対応
当院は全国有数の狭心症や脳卒中等の動脈硬化性重症疾患を有する患者さんが集まる病院です。このためがん治療においても動脈硬化性疾患を抱える重症度の高い患者さんが必然的に多くなり、他施設では手に負えない基礎疾患を有する患者さんのがん治療についても多くの紹介を受けています。心臓・脳血管に問題を抱えたがん患者さんの外科手術を施行する上で問題となるのは、抗血栓薬(“血液をサラサラにする薬”、抗血小板薬や抗凝固薬)の服用、脳梗塞ハイリスク例、低心機能例であり、これらが重複するほど難しくなります。抗血栓薬を服用している患者さんに対して手術を行う場合には、一時的な中止でも血栓リスクが高くなり脳梗塞・心筋梗塞が発生する可能性がある一方で、抗血栓療法継続下の手術では重篤な出血が生じる可能性もあります。これら心臓・脳血管障害を抱える重症度の高い患者さんには、手術時間も循環の面から考えると不利となるため、慎重かつ手際の良い手術が必要となります。
当科では、複数疾患を抱え重症度の高い患者さんへの豊富な治療実績をもとに、致命的な梗塞性合併症の発症を最小限に抑える安全な周術期管理と手術手技を確立・実践しており、これらハイリスクな患者さんに対しても専門性の高い低侵襲外科治療を提供しています。