治療実績
216件
(2025.3.31現在)

一定強度のパルスフィールドエネルギーを与え、細胞膜に細孔を形成し細胞死を引き起こす。
パルスフィールドアブレーションとは?
従来の発作性心房細動の治療法として、主に高周波電流を使用する方法、冷却剤を使用する方法があります。これらの既存の治療法は、高温や低温を用いて心房細動に関連する心臓の組織を焼灼します。パルスフィールドアブレーションでは、カテーテル電極にパルス電圧をかけることで電極周囲に電場(パルスフィールド)を形成し、ターゲットとする心筋細胞のみを組織選択的にアブレーションすることができます。熱に依存しない技術により、食道や横隔神経、肺静脈といった周辺組織に関する合併症の発生リスクを低減することが期待されています。


不可逆的エレクトロポーション(電気穿孔法)とは?
エレクトロポレーション(電気穿孔法)は、細胞膜に高電圧の電気パルスを一時的に加えることで、細胞膜に一時的な孔(穿孔)を作る技術です。この孔を通じて、細胞内部に薬剤や遺伝子などを導入することが可能になるため、医学や生物学の分野で広く応用されています。パルスフィールドアブレーション(PFA)では、この技術を応用した治療が行われています。PFAでは、エレクトロポレーションによって不整脈の原因となる心筋の異常な電気伝導を持つ部位を選択的に処理します。この際、電気パルスは細胞膜に作用し、対象の心筋細胞を確実に治療する一方で、周囲の正常組織(血管や神経など)には影響を最小限に抑えることができます。そのため、従来の高周波や冷凍アブレーションに比べて、安全性が高く、合併症のリスクも軽減されるとされています。エレクトロポレーションは、特に高精度かつ組織選択的な治療が求められる場面で有用性が高い技術です。当院では、この最先端治療を導入し、患者さんに安心して治療を受けていただける体制を整えています。