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VATS

治療実績

119

(2022年実績)

肺がんへの低侵襲治療

従来から行われてきた開胸手術は、肋骨や胸骨などの骨や筋肉を切り、道具を用いて開胸することで直接見ながら手を入れ行っていました。これに比べ、胸腔鏡下手術では切る筋肉の範囲が非常に小さく、身体に大きな傷を付けず手術を行うことができるため、患者さんにとっては術後の痛みが少なくなるとともに、術後の早期回復、社会復帰が可能となります。しかし、胸腔鏡下手術は決して簡単に行える手術ではありません。専門医の確実な手技と術中の迅速な判断力はもとより、従来の標準手術にも慣れている必要があります。疾患によっては従来の開胸手術が安全でより良い場合もあるため、当院では患者さんの安全に配慮し、鏡視下手術のメリットとデメリットを十分に説明させていただき、納得の上で手術を受けられることをおすすめしています。

組織により適したデバイス

肺の機能を温存する縮小手術

これまでの肺がん手術は、がんがある肺葉と呼ばれる部位を大きく切除するのが標準治療でした。しかし、近年では肺葉全体を切除するのではなく、肺の切除量を縮小する部分切除(肺葉切除の10~30%程度の切除)や区域切除(肺葉切除の20~50%程度の切除)の縮小手術が行われています。しかし、縮小手術は細かい血管や気管支を扱う必要があるので、標準的な肺葉切除に比較して難易度の高い手術になります。そして何よりも手術で完治することが重要ですが、胸腔鏡手術+縮小手術を用いた2cm未満の肺がんへの治療成績は、5年生存率91%となっています。しかし、この縮小手術の適応は、初期の肺がん(2cm未満)に限られるため早期発見が重要となります。当院では胸腔鏡手術と縮小手術を組み合わせて、肺の機能をできるだけ温存する手術に取り組んでいます。

ハイブリッド手術

胸のCT検査が簡単にできるようになり,肺がんも早期に発見できるようになりました。一方で直径10mm前後の”影“が見つかることも増えてきました。このような影も,肺がんが疑われる場合には診断と治療を兼ねて手術が必要になることがあります。しかし、CT検査で淡い小さな影だけが写し出されているがんは、胸腔鏡では見えず手を入れて触ってもわからないことがあります。そのような症例では、手術中にCT撮影のできる手術室「ハイブリッド手術室」にて手術を行います。ハイブリッド手術室のCTで肺がんの位置を確認しながら手術を進める「ハイブリッド手術」は、小さな肺がんも手術中にCTという”眼“を使って見逃さず正確に切除できます。

ダビンチ肺がん手術 2021年導入

当院では2020年9月に最新の手術支援ロボット「ダビンチ Xi(da Vinci Xi)」を導入しました。すでに前立腺や消化器がん領域で稼働しており、肺がんに対する手術も2021年に導入しました。
ダビンチは、多関節を持つロボットアームと鮮明な3次元画像を有した最先端の手術支援システムで、例えるなら今までの胸腔鏡手術は“さい箸”を用いて,その先にある腫瘍や胸腺を切除していたのに対し、ダビンチは外科医の“手”が入っているような感覚で手術を行うことができます。狭いスペースで手術器具を自由に動かせるため、正確な手術が可能となります。

医師の紹介

呼吸器外科 主任部長 大﨑敏弘

Profile

  • 日本外科学会 専門医 指導医
  • 日本呼吸器外科学会 指導医
  • 日本胸部外科学会 指導医
  • 日本呼吸器内視鏡学会 専門医 指導医
  • 呼吸器外科専門医合同委員会 呼吸器外科専門医
  • 日本気管食道学会 専門医
  • 日本臨床外科学会
  • 日本内視鏡外科学会
  • 日本肺癌学会
  • 日本癌学会
  • 日本癌治療学会
  • 日本乳癌学会
  • 医学博士

呼吸器外科 部長 岡壮一

Profile

  • 日本外科学会 専門医
  • 日本呼吸器外科学会 専門医 評議員医
  • 日本がん治療認定医療機構 がん治療認定医
  • 日本胸部外科学会
  • 日本呼吸器内視鏡学会
  • 日本肺癌学会
  • 産業医ディプロマ
  • 医学博士
受付時間 (診察開始8:30〜)
新患/8:10〜11:00 再来/8:10〜11:30
*詳しくは各診療科案内の外来医師担当表をご確認ください。
休診日
土・日曜日、祝日、年末年始

〒802-8555
福岡県北九州市小倉北区浅野3丁目2-1

093-511-2000(代表)