治療実績
210件
(通算実績)
胃の手術や胆管・膵臓の手術を受けられた患者さんの胆管結石・黄疸への治療
胆管結石や黄疸などの病気となった患者さんには,通常内視鏡を用いた内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)という検査で結石を取り除く,ステントを留置するといった治療を行います。しかし,胃の手術や胆管・膵臓の手術を受けられた患者さんが,胆管結石や黄疸などの病気になると,通常の内視鏡を用いたERCPは困難です。以前は再び手術が必要になることも多かったのです。近年では,バルーン内視鏡という特殊な内視鏡を用いることで,患者さんの苦痛や負担の少ない内視鏡的治療が可能となり,当院でも積極的に行っています。
バルーン内視鏡
バルーン内視鏡には,シングルバルーン内視鏡とダブルバルーン内視鏡があり,当院ではダブルバルーン内視鏡を採用しています。ダブルバルーン内視鏡は,内視鏡先端とオーバーチューブ先端にバルーンが装着されていて,これら二つのバルーンを駆使して腸管を短縮しながら腸管内に内視鏡を挿入していくスコープです。
バルーン内視鏡を用いたERCP
胃や胆道・膵臓の手術を受けられたことがある患者さんにおける胆膵疾患(閉塞性黄疸・胆管炎・胆管結石・胆管・膵管空腸吻合部狭窄・肝内結石など)に対する内視鏡的治療は,手術後の腸管をつなぎ合わせていることで十二指腸の胆管の出口までの距離が遠くなる為,従来の内視鏡では治療困難でした。
そのため以前は直接皮膚から胆管に針を刺し,胆管にチューブを留置する治療や開腹で胆管や肝臓を切除する手術などの侵襲度の高い治療法を選択せざるを得ませんでした。
バルーン内視鏡ERCPでは手術後の腸管を進んで,胆管の出口や術後吻合部にたどり着くことが可能となり,そこから結石の治療やステント留置といった処置を行うことができます。バルーン内視鏡を用いたERCPによる内視鏡的治療の場合,特に偶発症やトラブルがなければ,多くの患者さんで治療回数は1~2回,入院期間は1週間程度で行なうことが可能で,チューブ留置や手術と比較して,負担が少なく治療を行うことができます。また,狭窄や結石が再発した場合も比較的容易に繰り返し治療を行うことが可能です。
医師の紹介
消化器内科 部長 中嶋哲也
Profile
- 医学博士
- 日本内科学会 認定医
- 日本消化器病学会 専門医
- 日本消化器内視鏡学会 専門医、指導医、九州支部評議員
- 日本胆道学会
- 日本緩和医療学会
消化器内科 野口達矢
Profile
- 日本内科学会 認定医
- 日本消化器病学会 専門医
- 日本消化器内視鏡学会 専門医
- 日本肝臓学会
- 日本門脈圧亢進症学会
- 日本胆道学会
- 日本膵臓学会
- 日本腹部救急医学会