看護部

Nurse

【医師から見た看護師】

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チーム医療での看護師の役割

医師には患者さんの医療全体に目を配り、各専門職種のもつ情報や技能を集約して治療の方向性を導いていくチームの責任者、指揮官としての役割が求められる一方で、看護師という立場に最も求められることはやはり患者さんやその家族の最も近くに寄り添ってその不安や苦痛が少しでも和らぐように気を配り、環境を整備し、周囲との関係を調整することではないでしょうか。そのためには患者さんやご家族の気持ちや欲求を察知・理解する能力や優れた看護技術を習得することだけではなく、各専門職種の業務内容に関するおおまかな知識も持っておく必要があります。
チーム医療が患者さんを中心としてその周囲を多くの医療者が取り巻く球体のイメージだとすれば、医師はその周囲全体を覆って形を支えている被膜であるのに対して看護師は中心の患者さんを直接くるんで中層の様々な職種との間を取り持つ最深層に位置し、被膜である医師と協調してチーム医療を成立させる重要な役割を担っています。

患者さんやご家族に寄り添う徹底した「優しさ」

私が尊敬する看護師さん達に共通することは、看護に関する確かな知識や技術だけではなく、患者さんやご家族に寄り添う際の無条件の、徹底した「優しさ」だと思います。どのようなハードな状況においても最後まで患者さんに寄り添い、患者さんに対する「優しさ」を失わない、看護師として大切な能力を備えているように思います。
ひょっとしたらこの「優しさ」という能力は知識や技術と違って努力だけでは身に付かない特殊なものなのかも知れません。しかし、看護師として少しでも高みを目指そうと考える人たちにはその視点をぜひ忘れないでいただきたいと心から願っています。